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2006年05月22日
プロジェクトリーダーのリリアンさん
5月19日(金曜日)
リリアン・グルバーグさんは「The Steps for Skill 」のエスロブ市のプロジェクトリーダーです。訳してスキルアッププロジェクト。エスロブ市の介護者はアンダーナースと呼ばれ、
医療を勉強した介護士。彼女はその介護技術向上のプロジェクトを1人で担当しています。市庁舎にある彼女の部屋でインタビューをしました。
もともと、“子どもの課外活動”の先生を育成する高校の先生。仕事を休職して、このプロジェクトリーダーに抜擢されました。
任期は今年2月から来年1月までの1年間。
高齢者ケアが良くなるカギはスタッフにあると、スウェーデンでは介護力向上のために、 3年間で10億クローネ(約156億円)の予算を組みました。エスロブ市には約4500万円下りました。リリアンさんは、まず、 10人のケア部門の現場マネジャーを通して情報を集め、その結果を分析、4つの取り組みに集約しました。1) 未資格介護者のアンダーナース研修。2)認知症の学習、3)緩和ケアの学習、4)パソコン研修。1)に関しては、 エスロブ市にいる395人の介護者のうち25人が未資格とわかり、 そのうちの定年間近な人を除く20人が20週間の研修を受けることになりました。その先生は、 昨年10月から今年3月末まで千葉県にある舞浜倶楽部という老人ホームで介護指導に当たっていたエスロブ市のベテランの先生、オーサ・ クラボーンさんだそうです。
面白いのは2)~4)の研修。これは他所から先生を呼ぶのではなく、
自治体の中からその道に優れている人を抜擢して勉強の機会を与え、先生に育て上げるという方法です。パリアティブ・ケア(緩和ケア)はエバ・
ミントンさんという看護婦さんが選ばれ、ルンドの大学で勉強を始めました。自前主義です。内部の事情を知らない研修のプロを雇うより、
安くでき、抜擢された人にとってはまたとない動機付けになります。休職中に代理の介護者を雇うなど、
予算のほとんどは20人のアンダーナースの育成に使われるということです。いかに資源を有効に使うか、
これは日本の行政が一番学ぶことではないでしょうか。さわやかな気持ちで市庁舎の外に出ると水仙が咲いていました。
投稿者 :rumi | 2006年05月22日 04:42