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2006年05月30日
エスロブを訪れた評論家の樋口惠子さん
5月29日(月曜日)
写真はトルホガーデンというサービスハウスの高齢者の部屋に座る樋口惠子さん。 この日、 市庁舎にクリスティナさんを訪ねると、「あと、15分待てば、コペンハーゲンから日本のグループが到着するわよ」と言われしました。どうも、 今度のグループはビッグらしい。通訳もルンド大学の先生らしい。というので待つことにしました。そこに現れたのが樋口さんのご一行。 皆さんは樋口さんが主宰する「高齢社会をよくする女性の会」のメンバーの方々でした。コペンハーゲンで会議があり、その後、 久しぶりにスウェーデンの現状を知るために、コペンから車で1時間のエスロブを選ばれたわけです。
私も厚かましく、クリスティナさんのレクチャーに参加させていただきました。 これまで4ヶ月調べ上げてきたことの、ちょうどサマリーを聞くいい機会となりました。というのは、今回の通訳として同行したのは、 多田葉子さんというルンド大学の社会学の先生(Assistant teacher)で、訳が明快で実に判りやすかったのです。 私の場合はスウェーデン語という言葉の壁が大きく、英語でスウェーデン語を通訳してくれるシーマさんを通しての内容の理解です。 学究の場に属していないので、理解して、間違いがないかを確認するのに、多くの時間を使いました。しかし、優秀な通訳がいて、 聞く方もきちんとした背景があれば、1時間の取材でかなり、実態を把握できるものだと思いました。やっぱり、違うなと思ったのは、 樋口さんの質問内容。実に的を射た質問をなさっていました。当たり前かな。
樋口さんの隣にいるのは、昨日、エスロブに研修生として到着した池田めぐみさん。 社会福祉士で江戸川区にある「なぎさ和楽苑」という介護施設で働いています。中央競馬会が研修を助成して、毎年、 こうした研修生がスウェーデンを訪れるそうです。彼女は6月16日までエスロブに滞在してから、ストックホルムに発ちます。
樋口さんたちはこの後、歩いて、トルホガーデンのサービスハウスを見学。 最初の写真はその時のものです。私がマネージャーのマリさんに「この方は有名なプロフェッサー」と紹介したら、 樋口さんが困ったような顔をしました。ご本人の目の前で、こういう紹介のしかたは失礼だったかなと後で反省をしましたが、 エスロブに来ていただいたのが、嬉しかったので、お許しを。これだけではなく、こちらにいると、マナーについて考えさせられます。 アテチュード、態度の教育が介護者の教育の大切な項目ですが、いい勉強になることが多いです。
2006年05月30日 19:09 | 投稿者: rumi | コメント (1)
人の気配
5月28日(日曜日)
このところ、お天気がずっと悪く、今日は雨降りで風も吹いています。なんだかブルーな日です。 今日は麻衣子さんに洗濯機の使い方を教えてもらうために、地下の洗濯室に下りた以外は部屋に閉じこもっていました。 洗濯はほとんど部屋で手洗いしていました。たまに洗濯機を使っていたのですが、私が使っていた機械を見て、麻衣子さんから、 それは乾燥機だと言われました。私は全自動の乾燥機つきの洗濯機だと管理人のエバさんに聞いていたような気がしたのですが・・。だから、 上手く使えなかったのでしょうか。
というわけで、今日もパソコンとの日々。夫に健康に悪いよと、怒られそうです。 パソコンは私と日本をつなげてくれる “扉”。この扉を開くと向こうに日本があります。昔、 CSルイスのナルニア国物語のファンタジーに惹かれましたが、パソコンの向こうには日本が広がっています。 夫とのスカイプでの会話もメールもインターネットで見る新聞も。一日誰とも話さない日はパソコンと会話です。人の気配が欲しいところです。
去年からテレビがあるといいなあと思っていました。すると、麻衣子さんから学生さんが300クローネ (4,700円)で自分のテレビを売ると書いたチラシがピープルズハイスクールのレセプションに張ってあった、という情報を得ました。それ! とばかり受付に行くと、エバさんが、テレビなら、ここに一台余っているのがあるから使わない、と言ってくれました。親切です。ICA(イカ) というスーパーの前にある安売りのスーパーでアンテナを買い、とうとうテレビを持てました。すると、 それまでパソコンと私の関係にテレビが入り、三角関係が出来上がりました。テレビはスウェーデンの社会を眺めるもう一つの扉。 スウェーデン語はわからなくても、なかなか、面白い。・・・ということで、29日は1時までテレビを観てしまいました。
ちなみに、この日の食事は豚肉のニンニク醤油焼き、スウェーデンの長葱とマッシュルーム添え。 それに柔らかレタスと太いきゅうりのフレンチドレッシング。シーマさんが焼いてくれたパン。 このスコーネ地方産の豚肉が実に美味しかったです。でも、葱の緑の部分は菖蒲の葉のようにかたかったです。おわり
2006年05月30日 15:00 | 投稿者: rumi | コメント (0)
市場ではいろいろな人に会いました
5月22日(土曜日)続き
突然、イスラムの風景。これはエスロブ市でで開かれている“春の市”を歩いていたら、
マルワンさんの家族に会った時の写真です。彼はパレスチナからの難民。昨年の秋の滞在で、
スウーへランというサービスハウスでアンダーナースとして働いている彼に出会いました。温かな高齢者への接し方が印象に残った人です。彼は、
16歳で難民キャンプから単身ポーランドに渡りました。彼のお兄さんは戦争で亡くなりました。お父さんは彼も戦争に行くことを恐れ、
パレスチナを離れることにしたのです。彼はそれからドイツに移り仕事を身につけながら、最終的にスウェーデンに落ち着いたのです。
SFIという難民のための語学学校でスウェーデン語を学び、その後、アンダーナースの資格を1年半のコースで取得。
仕事を得て働き始めてから、故国に短期間帰り家族を呼び、今の奥さんと結婚しました。今は6人の子持ち。
去年は6人目が奥さんのお腹に宿ったと聞きましたが、その赤ちゃんがこの日、乳母車に乗っていました。
立教大学の名誉教授でホスピタリティ学の大家の前田勇先生は「今、ホスピタリティが残っているのはイスラムの社会」
と私に話してくださいまいたが、マルワンさんの高齢者に接する態度はすばらしかったです。今は、スーヘランから市のマンパワーの部署に移り、
働いています。アンダーナースが病気や休暇で休みを取ると、すぐに、欠員を埋める要員が補充されます。
彼が働いているのはそのマンパワーの部署。即戦力になる人が働いているのでしょう。可愛い奥さんと子どもたちのために、
マルワン父さんは頑張ってます。
しばらく歩いていたら、こんどはマルガリータさんとブティルさんご夫婦に会いました。 このブログでも前にご紹介をしたご夫婦。お2人の生活はよく新聞で紹介されます。マルガリータさんは、 脳溢血で半身不随になった夫の介護を続けています。静かなる介護とスウェーデンでいわれている家族介護のモデルです。 とても前向きで介護のある生活を楽しみ、障害を持った人々のグループ旅行も参加します。ちょうど、初孫が生まれたばかり。 すぐそばにお嬢さんのアンさんの乳母車がありました。市場とは人が集まる場所。そして、人々の生活はとどまることなく刻々変化しました。
ヴィンセント君の学校の先生もお店を出していて、木製の知恵の輪を売っていたので、一つ、 記念に買いました。
2006年05月30日 07:06 | 投稿者: rumi | コメント (0)
ヴィンセント君と市場に
5月27日(土曜日)
1人で部屋にこもり、翌週に予定されている4つのインタビューの準備をしていたら、ヴィンセント君から
「春の市場が立つから僕の家族と一緒に行きませんか」とメールが来ました。
写真は彼がもし生まれ変われるならなりたいと言っていた侍という字が書かれたお土産のTシャツを着ているビンセント君。
この一年で背も体格も大きくなり、それに、ひげが生えてきたと家族からからかわれています。
町の広場に夏と秋と3回市場が立ちます。エスロブはスウェーデンの中でも「退屈な町」 と昔は言われていたという話を聞きますが、この市場はそんな町の人々の楽しみの一つ。ペルソン家の子どもたちは、 DOMOSというスーパーのキャッシュサービスでお小遣いを下ろします。フィリッパちゃんが下ろしたのは100クローネ(1560円)です。 ヴィンセント君はチェコから両親が移民としてきた友達とお小遣いを下ろした後は市場の雑踏に消えていきました。 フィリッパちゃんもサッカー仲間の友達(フィリッパちゃんは選手、ゴールキーパー)と消え、 お父さんのウルフさんとルードヴィヒ君も雑踏にまぎれていきました。 私はお母さんのカメラさんとカメラさんの友達の3人で市場を歩きました。
2006年05月30日 06:18 | 投稿者: rumi | コメント (2)
生垣と道の草
5月25日(木曜日)
今日は祭日。キリストが復活の後、昇天をした日です。あまり、 信仰が厚いとは思えないこの国の人も祭日は別。家族が集まる日のようで、町の中心部にはまるで人気がありません。 今日から4日間は家にこもる日が続くことになります。朝、起きてすぐにすることはメールのチェック。ところが、 こちらに来たとたんに東京にいた時よりメールが減ります。これが不思議。皆さん、今回は余裕が少しできたので、メールをくださいね。 寮の周りを歩くのが、一番のパソコン漬かりの毎日の肩こり解決法です。
こちらは花の盛り。この季節、いっせいに花が咲きます。町を歩いていて、気がついたのは、 生垣の花と道に咲く草花。今から30年前まで、 私はわが家を出て駅まで歩いていく途中の7,8分間の近所の生垣に順繰りに咲く花を楽しんでいました。もっと、小さい時には、 舗装されていない道に、いっせいに草花が咲く息吹を春になると楽しみました。生きている実感がありました。 その感覚をエスロブで思い出しました。ついつい嘆いてしまいますが、日本は東京に一極集中しすぎて、 わが家の近所の道も川もコンクリートに固められています。ちょっと、退屈な今日の報告です。
2006年05月30日 05:47 | 投稿者: rumi | コメント (0)
美味しいスーさんのご馳走
5月24日(水曜日)
もう、2日分ぐらい食べてお腹がはちきれそうでした。 今日は理学療法士でエスロブ市のリハビリテーションの責任者のスタファンさんの家に麻衣子さんと夕食に呼ばれました。玄関のドアーの外まで、 なんとも美味しい香りが漂っています。サンボ(非婚)の奥さんのスーさんはマレー者出身。ルンド大学で経営の勉強を続けています。アジア、 特に中国とスウェーデンの違いは食卓に並ぶお皿の数でしょう。スウェーデンでは、食事によばれてもメインの料理とサラダぐらい。 前に北京に夫の仕事について行った時には、お皿の数が、10ぐらいは食卓に並んだのを思い出しました。
スーさんはお料理がとても上手で、この日は5皿。チキンを蜂蜜と醤油につけて焼いたもの。 表がカリカリで中がジューシー。その隣がスウェーデンでは見かけない大きなえびと野菜のあんかけ。 緑色はブロッコリーとにんじんなどの野菜炒め。茶色のお皿が牛肉とねぎを炒めたもの。こちらの肉は大きいので、切るのが大変だったそうです。 温熱ガラスのボールにはレッドタイカレーが盛られてい ます。それにタイ米のご飯。ワインはポルトガルワイン。なかなか美味しいワインでした。食後は写真のような肉まん。 3時間もかけてスーさんが皮から作ってくれました。マレーシアでは、朝ごはんから外食だと聞きました。スーさんは、 中国語の料理の本をたくさん買って、こちらに来てから料理を覚えたそうです。でも、もちろん、一番楽しかったのは、 3つの国の習慣の違いを話すなどのおしゃべり。 何よりのご馳走でした。
2006年05月30日 04:07 | 投稿者: rumi | コメント (0)
歩け歩けのグループ
5月23日(火曜日)
これは毎週火曜日に行われる高齢者の集会場のウォーキングのグループが歩いている風景です。 先頭の赤いジャケットの美人がリスさん。カリダールで働くアンダーナースです。彼女は100%の勤務で「オンタンケン(思いやり)」 という名のカリダールにあるショートステイを上司に提案して作りました。今日のウォーキングは12名の参加。 一番若い方がつい最近退職した62歳の女性。他は70代、80代の人々です。リスさんの隣のリネアさんは89歳。目が不自由ですが、 欠かさず、雪の日も参加します。ウォーキングのスティック(スキーのスティック)も白いのを使っています。 このスティックを使いながら歩くと、肩の筋肉を使えて、とても、調子がいい感じです。おしゃべりをしながら、近所を1時間ぐらい歩きます。
今回は、交通事故に4ヶ月前に会った若い女性も参加しています。 彼女は事故の心理的後遺症から復帰するために最近カリダールでボランティアをはじめました。彼女が一緒に歩いたのは、耳が遠いある高齢者。 耳が遠いので、皆さんの歩きながらのおしゃべりに加わりたくないというニーズがあります。 いつも一緒に歩くのはもう1人のカリダールの職員のアグネッタさんですが、今日はその代わりに、 この若い女性が大きな声でおしゃべりをしながら歩いていました。何気ないようでもいろいろな配慮がされていることを知りました。 最後の仕上げはスティックを使った体操。終わると食堂に集まり、お茶の時間と変わります。とにかく、皆さん、よく喋ります。 まるで井戸端会議。去年の4月にエスロブ市の健康プロジェクトの責任者のクリスティーナ・ ウォーミングさんがこのスティックを使い歩くことを推奨し始めていました。すぐに根付いて活動が始まっています。でも、 男性が加わらないのはなぜでしょう。
2006年05月30日 03:32 | 投稿者: rumi | コメント (0)
地域医療センターの役割
5月22日(月曜日)
写真はモナ・マンデルバーグさん、65歳。
つい最近までエスロブ市にある地域医療センターで働いていた看護師さんです。
私の今回の滞在は医療と看護と介護の関係をこの目で確かめること。
この日のインタビューは私の部屋で行いました。エスロブ市には地域医療センターが3つあります。モナさんはその一つ、
トーベルンドと呼ばれる市内の地域医療センターで働いていました。50%の勤務です。日本でいうパートタイムですが、
こちらでは時間が短いだけ、社会保障や仕事への責任はフルタイムとほとんど変わりありません。
地域医療センターの役割は地域の保険とプライマリケア(家庭医のレベルの初期医療)
に責任を持つことです。スウェーデン全体で900ヶ所あります。この他、管区病院が10、県に所属する病院が80。
医療は地域医療センターも含めて県に属しています。自治体には病院がありません。エスロブの人たちは、
救急の場合と難しい病気の場合は隣の町のルンドの大きな病院に行きます。インフルエンザにかかると、ここに予約の電話をかけます。
ちなみに、モナさんのような看護師さんが地域医療センターで電話受付をしています。 これはだいじな仕事で、電話で病状を聞いて、どこに、いつ、診療に行けばいいのかを判断して、振り分ける仕事です。考えてみると、 患者にとっても、医療サイドにとっても無駄がない。合理的な考え方につらぬかれているシステムですが、 どうしたら人間的な対応かがすべて基本にあります。今、日本でも医療改革が進んでいます。合理化という点では似ていますが、どこかが違う。 似て非なるもの。お医者さんがやる気をなくしそうで、とても、心配です!
過去4ヶ月の滞在で気付いたのは、お医者さんの姿を介護の場に見かけないことでした。 高齢者へのプライマリケアは医療を勉強したアンダーナースと呼ばれる介護者が、看護師に相談しながら行います。例えば、 サービスハウスには看護師さんの部屋がありますが、看護師さんは常時待機していません。35人の看護師が自治体で働いていますが、 必要な時に看護ステーションからサービスハウスに駆けつけてきます。お医者さんは1人も自治体に属していません。 看護師はお医者さんに相談しながら、家庭医がするプライマリケアを行っています。 スウェーデンで画期的な医療改革が行われたのは1992年のエーデル改革。それから14年。介護者が初歩的な医療を行うようになり、 医師が介護の場から姿を消しました。
2006年05月30日 02:54 | 投稿者: rumi | コメント (0)
2006年05月22日
5月のスコーネは菜の花畑がきれい
5月21日(日曜日)続き
南スウェーデン、エスロブ市での4度目の滞在が始まり、ちょうど一週間が過ぎました。今日は、
日本からの実習生星名麻衣子さんのお誕生日を祝い、
クリスティーナさんとヴァーントさん夫妻がマルメ市の近郊のアルナップという農業大学の学園祭に連れ出してくれました。
5月写真は途中の車の中から撮ったものです。この季節、
南スウェーデンの穀倉地帯スコーネの平原を黄色く染めるもの、それは菜の花です。日本の朧月夜とは一味違う、
スウェーデンの曇り空の下の菜の花畑。そういえば、前に絵葉書で見たことがありました。この菜の花、実は、地球環境によいのです。
ヴァーントさんが言いました「この車のオイルは半分が菜種オイルだよ」「エッ!」と麻衣子さんと私は驚きの声を上げました。
「ガソリンだと1キログラム12クローネ(187円)、菜種オイルだと7クローネ(109円)。安いだけではなく、地球環境にいいのだから、
いうことないね」。
2006年05月22日 06:10 | 投稿者: rumi | コメント (1)
麻衣子さんのお誕生日
5月21日(日曜日)
今日は、エスロブ市での1年間のケアの研修をもうすぐ終える星名麻衣子さんのお誕生日(5月20日)を、
クリスティーナさんとヴァーントさん夫妻がお祝いしてくださいました。クリスティーナさんは海外の研修の責任者でもあります。この1年間、
およそ考えられないくらい丁寧に私たちを公私共にお世話してくださいました。写真は、学生寮の前まで迎えに来てくれて、
お2人が麻衣子さんにプレゼントを渡しているところ。二人でスウェーデンのお誕生日の歌を「ハッピバースディ ツウ ユー♪~」
と歌ってくれました。今日はAlnarp(アールナップ)というマルメの近くにある農業大学の学園祭に連れて行ってくれました。
この日の名物は植木市。広大な大学の敷地で学生たちが植木を販売していました。 近隣から老若男女が買い物にきています。ガーデナーとしてかなりの線をいく、 元SASのパイロットだったヴァーントさんは植木に目がありません。彼は18歳でスウェーデン空軍のジェットパイロットの試験に合格して、 一躍、故郷のスモーランドで有名になった人です。しかし、一時はパイロットを辞めて農業の道を目指したこともあり、 この学校の近くの専門高校で勉強をした筋金入り。
大学ではさまざまな催しが行われていましたが、その一つにロッククライミングならぬ、
ツリークライミングのコンテストが行われていました。いかに早く木に登り、樹木の手当てをするかのコンテスト。
木の下には数人の審査員がチェックリストを持ち真剣な顔をして立っています。するすると上から降りてきたのは若い女性でした。この他、
造園の専門家の樹木ドクターの相談コーナーもあり、そこには木登り用の作業着が飾られていました。
スウェーデンでは造園の仕事には木登りが欠かせないようです。
2006年05月22日 05:53 | 投稿者: rumi | コメント (0)
プロジェクトリーダーのリリアンさん
5月19日(金曜日)
リリアン・グルバーグさんは「The Steps for Skill 」のエスロブ市のプロジェクトリーダーです。訳してスキルアッププロジェクト。エスロブ市の介護者はアンダーナースと呼ばれ、
医療を勉強した介護士。彼女はその介護技術向上のプロジェクトを1人で担当しています。市庁舎にある彼女の部屋でインタビューをしました。
もともと、“子どもの課外活動”の先生を育成する高校の先生。仕事を休職して、このプロジェクトリーダーに抜擢されました。
任期は今年2月から来年1月までの1年間。
高齢者ケアが良くなるカギはスタッフにあると、スウェーデンでは介護力向上のために、 3年間で10億クローネ(約156億円)の予算を組みました。エスロブ市には約4500万円下りました。リリアンさんは、まず、 10人のケア部門の現場マネジャーを通して情報を集め、その結果を分析、4つの取り組みに集約しました。1) 未資格介護者のアンダーナース研修。2)認知症の学習、3)緩和ケアの学習、4)パソコン研修。1)に関しては、 エスロブ市にいる395人の介護者のうち25人が未資格とわかり、 そのうちの定年間近な人を除く20人が20週間の研修を受けることになりました。その先生は、 昨年10月から今年3月末まで千葉県にある舞浜倶楽部という老人ホームで介護指導に当たっていたエスロブ市のベテランの先生、オーサ・ クラボーンさんだそうです。
面白いのは2)~4)の研修。これは他所から先生を呼ぶのではなく、
自治体の中からその道に優れている人を抜擢して勉強の機会を与え、先生に育て上げるという方法です。パリアティブ・ケア(緩和ケア)はエバ・
ミントンさんという看護婦さんが選ばれ、ルンドの大学で勉強を始めました。自前主義です。内部の事情を知らない研修のプロを雇うより、
安くでき、抜擢された人にとってはまたとない動機付けになります。休職中に代理の介護者を雇うなど、
予算のほとんどは20人のアンダーナースの育成に使われるということです。いかに資源を有効に使うか、
これは日本の行政が一番学ぶことではないでしょうか。さわやかな気持ちで市庁舎の外に出ると水仙が咲いていました。
2006年05月22日 04:42 | 投稿者: rumi | コメント (0)
「人間の化学??」 男の料理教室
5月17日(水曜日)
「“Person Chemistry Atmosphere”よ」とシーマさんが訳してくれました。毎週水曜日、
カリダールという高齢者の集会場で開かれる男の料理教室で美味しい食事をおしゃべりをしながらご馳走になっていた時のことです。
人の交わりが作り出す化学。「女性の身体は楽しい井戸端会議でホルモンを分泌する」
という研究がアメリカのマサチューセッツ工科大学から出されたという記事を英会話の授業で読んだことがあります。そこには、
「このホルモンは女性だけのものだが、男性もリタイアした後に楽しい集まりに参加すると長生きをする」とも書いてありました。
おしゃべりは大切。この日のメニューは「鱈のグラタン」と「フルーツスープのデザート。
スティグさんが白ワインを集会場の隣の家から運んでくれました。
先生のアンブリッドさんが窓の外から三色すみれとラベンダーを摘んできて即席の飾りを巻きつけます。
到着早々に締め切りの原稿を書いて睡眠不足の私の身体もリラックス。つい最近まで、
日本の高齢者介護の現場に働く人々が疲弊している姿をたくさん見つめてきたので、思わず、「どうしたらいいの」
「どこから変えていけばいいの」と心の中で叫びました。
2006年05月22日 02:46 | 投稿者: rumi | コメント (0)
5月のエスロブ
5月16日(火曜日)
昨日の夕方、2ヶ月ぶりにエスロブに到着しました。3月16日に発った時には雪が道路に残っていたのですが、今は春の盛り。
学生寮の近所の1940年代に建った家が多い旧住宅街の家々の庭の木々は花の盛り。ここ数日、気温が低く、雨の日が多い異常気象とのこと。
気温は10度ぐらいで少し肌寒いです。今回がたぶん、長期滞在は最後。やり残した取材を済ませ、実際に本を書き始めようと考えています。
たぶん、この町の福祉なら、この町の人々より知っているかもしれない、と思えるようになりました。これまでで4ヶ月の取材がすみました。
2006年05月22日 02:03 | 投稿者: rumi | コメント (1)