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2006年03月12日

ホームケア・サウス 市内のホームケア 

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3月2日(木曜日)

ホームケアは大きく分けて2つに分かれています。市内と郊外の田園地帯。 今日は市内のホームケアの取材です。これも4つのグループに分かれ、南東、南西、北東、北西の4つ。私はこの日、写真の南(SYD)西 (OST)、南西のチームのチームリーダーのカタリーナさんに付いて回りました。 カタリーナさんは南東と南西の2つのチームを自分も現場で働きながらリーダーとして働いています。南西のチームには42名の利用者(高齢者) がいます。今日、出勤のアンダーナースは6人。朝7時から打ち合わせが始まります。

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働いているメンバーの年齢はさまざま。カタリーナさんはたぶん私と同じ50代後半。40代、30代、 20代の後半、前半といろいろな経験のレベルの人々が混ざって働いています。下は市内のホームケアサービスのオフィスの玄関。 自転車が並んでいます。このオフィスがあるのが、警察のあるビル。去年このビルを訪ねた時のことでした。 クリスティーナさんが渡してくれたレジュメに「at ploice office」と書いてあり、ホームケアを訪ねるのに、 なぜ警察を訪ねるのかが、どうしても理解できませんでした。まさに言葉、習慣の違う私がこの町を理解しようとするのはゲームのような、 謎解きのような小さな困難がたくさんあったことは確かです。

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この日もお天気は逆戻り。朝一番の仕事は車の雪払いから始まりました。7:30出発。 カタリーナさんはベテラン。仕事を見ているとプロ中だと思いました。去年も、 ご主人の仕事の関係でアメリカに長く英語が堪能なカタリーナさんに付いて取材をしています。10キロほど車を走らせている途中で、 私の耳に残った言葉があります。「例えば病院から退院した後、在宅を選択した方がサービスハウスを選択した人より長生きをするの、 なぜかわからないけれどね」という言葉です。家を変えるのは認知症にはよくないのよね。去年は自宅で淋しそうに見えた高齢者が、 この冬には違って見えました。懸命に、自分の家に固執して生きているという印象なのです。

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最初に伺った家は下のような集合住宅。ポストから新聞を取り出すのも、重要なサービスです。 利用者は81歳のカーリンさん。一人暮らしです。30年間、学校で給食を作る仕事に携わってきた方です。 「25年芽には金時計をもらったのよ」としぅかりした声で答えてくださいました。それに「ああ、あなたにはカリダールで会っているわね」 と言もわれました。たぶん、カリダールという高齢者の集会場の火曜日の音楽会の日に会ったのでしょう。

カタリーナさんはまず窓のブラインドを開けます。部屋に明るい光が差し込んで、これも、生活のクオリティを高める重要な仕事。 次にカタリーナさんがしたのは、靴下を履かせる仕事。これは脹れた足の血の循環をよくする靴下。カーリンさんの問題は膝、 手術がうまくいかなかったので、膝が曲がらないのです。

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この靴下は長さもサイズも数種類あり、カーリンさんの場合は膝下の長さでした。 脹れた足にタイトに履くのは難しそう。靴下が履けるとスカートを足から入れ、 カタリーナさんが右手を引いただけでカーリンさんは自分の力で起き上がります。そして、自分で歩行器を使い立ち上がり、車椅子に移動します。 ベッドから車椅子までの3メートルは車椅子で一人で移動。トイレのドアーの所で、また、歩行器を使い自分で立ち上がり、 歩行器を回転させて立位置を変え、歩いてトイレの便器に移動。足はかなり悪そうで、いざるような歩き方です。座る前に、 カタリーナさんがパンティーを下ろすのだけを手伝います。

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私が感心して見ていると、カタリーナさんは「We see what they need for help」と答えました。決して安易な手出しはしないのです。カーリンさんが便器に座ったのを見極めると、すかさず、 カタリーナさんはベッドメイキング。手際がすごくよい。この後はカーリンさんはすべて自分でできる。洋服を着るのも、朝食を作るのも。 それでも、ホームヘルプサービスyは朝、昼、晩の3回利用。カタリーナに言わせると、滞在時間は15分から30分がほとんど。つまり、 ホームヘルプサービスは、利用者と介護者の共同作業のようなもの。一方的に受けるのではない。 利用者が自立していることが最高の人間的な尊重になるのです。7時35分に事務所を出発して、カーリンさんの家を出たのが8時5分。 ここまでの車の移動時間を入れると、20分ぐらいの滞在時間。

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この後は、隣の家に立ちよる。すでに着替えて台所のテーブルに座っている女性に薬を上げるだけ。 5分ぐらいの滞在、これでも、毎日、同じ時間に信頼している介護者が来るだけで生活にリズムができる。カタリーナさんは、 この訪問は心の問題だと言った。短い時間だが、実によく話す。次に寄った家では少しゆっくり。本人が吸引をしている間に、 朝食の支度を始めた。サンドイッチとコーヒー。ドリップ式のコーヒーが落ちていく音といい匂いが立ち込める。次も時間をかけて、 カップルの家に向かう。このカップルは2人とも介護が必要だが、自宅に住んでいる。この家でも時間がかかる、 最後に家を出る時にごみだしをするのも、重要な支援。雪の屋外に簡単には出られないし、ゴミが部屋にあると異臭の原因にもなる。 ここまでで10:45。この後、車を走らせて事務所に戻り、30分の休憩。早めの昼食を済ませる。

 

投稿者 :rumi  |  2006年03月12日 04:00

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