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2006年02月21日

窓からの眺め

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2月18日(土曜日)

上記は晴れた初秋の日に撮ったあるサービスハウスの部屋の写真です。 この部屋の主人公の71歳の女性と私は、去年、とても仲良しになりました。 何度も遊びがてら彼女の部屋を尋ねたものです。彼女は、ケアを受けるにはまだ若すぎます。絵描きだった愛する男性が亡くなり、 その喪失感がら立ち直ることができずにいるうちに、心臓の発作を起こし、一人暮らしが無理になしまりた。 2人のお嬢さんが毎日のようにお母さんに会いにきます。お孫さんの写真も飾ってあります。早く、彼女に会いたいと思いながら、やっと、エスロブについて16日目に会えました。秋に帰国する時、 私は彼女が昔描いたという絵をお土産にいただきました。私の宝物です。

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昔、彼女が描いたというその絵は、不思議と彼女の部屋から見える風景に似ています。
そのサービスハウスは、日本の特養から見たら夢のような環境です。でも、空気が動いていません。私は彼女の部屋にいると、 時間がここでは止まっている錯覚にとらわれます。テレビのスイッチも入れず、音楽も流れていません。 ケアをする人がお茶の時間やお昼を持ってくる以外は人の出入りが少ないのです。2LDKの自宅に近い環境を再現しているにしては、淋しい。 ひとりで過ごす時間が長いのです。日本のようにかまうということが少ないかもしれません。

気がつくと、スウェーデン語が話せない私も、彼女がよく眺めるように、首を窓の方向に向けています。 秋は大きなポプラの木が黄葉して、丘を吹き抜ける風にスローモーションのような動きで梢を大きく揺らしていました。 彼女はいつも飽きることなくその動きに見入っていました。老いるのは大変だなと思ったものです。

ケアが必要になるということは、自分から能動的に生活の雰囲気を作り出せなくなる。落ち込むことなのでしょう。 この美しい部屋にはいつも悠久の時が流れています。この日、彼女の住むサービスハウスまでは、 こんな写真のような雪道を歩いてきました。そして、気がついたら、7時近くなっていて、帰りはこんな暗い道を歩いて帰りました。

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投稿者 :rumi  |  2006年02月21日 14:03

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