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2006年02月10日
ミュージックセラピーの勉強会
エスロブ市のカルチャセクション(文化促進部)主催の「ミュージックセラピー」の勉強会があると、 クリスティーナさんに誘われて、星名麻衣子さんと出かけました。場所はBerga(バリア)という地域にあるアッパー・ セカンダリースクール(専門高校)の階段教室です。学生寮のある旧市街と鉄道線路をはさんだ反対側まで、 霙の降る中を麻衣子さんと20分ほど歩きました。クリスティーナさんの案内で遅れて教室に入ると、入り口に座っていたのが、 マルガリータさんというこの学校の校長。よく見ると、去年、顔見知りになった介護職の皆さんがたくさん参加しています。入場無料。
講師はビルギッタ・アンダーソンさんという日本にも来たことのある音楽療法士。 お茶の時間の20分をはさんで、2時間30分あまりの講義です。いや、講義というより、その語り口はエンタティなーそのもの。 舞台を見ているようでした。内容はクリスティーナさんが小声で同時に英訳してくれるのをメモに取ったのですが、理解できたのは半分以下。 しかし、肝心な点はつかめたのではないかと思います。とにかく、ある高齢の男性は・・とか、あるレディは・・、 というように実例が盛りだくさん。私がつかんだことは、1つは、高齢者にとって、音楽は深いインナーフィーリングに触れるものである。 2つ目は音楽療法には認知症の人々への深い理解から始まるということ。たとえば、グループホームでの無言の朝食のテーブルを変えるのが歌。 高齢者は朝のテレビのニュースなんて見ませんよ。それよりも、若いころに聞いた歌をう一緒に歌ったらどう。歌が鍵になり、 記憶の扉をあけるんです。
圧巻は、ビルギッタさんが94歳の男性と歌っている録音テープ。 スウェーデンの古いプロポーズの民謡です。「ねえ、私に指輪を買ってくれる♪~」「~ああ、もちろん、いいよ、もちろんだよ♪」 というような会話のようなやり取りです。彼はセクシャルな会話をよくしたので、歌でこれを受け止めたそうです。翌朝になると、 彼は昨日のことを忘れて同じ歌を繰り返しました。そして、数週間後、彼はブリギッタさんの手を握り、この歌を口ずさみながら、 亡くなっていったそうです。そう、音楽療法はターミナルケアに深く関係しているのですね。
それを教えてもらったには、日本の音楽療法士の曽根恵美子さん。 彼女は日本の死生学の大家上智大学名誉教授のアルフォンス・デーケン神父さまの「生と死を考える会」の会員でもあります。 実は、私たちのホスピタリティ★プラネットという温かなケアの勉強会では1月26日に、 曽根恵美子さんの講演会をしました。もう、 20年もこの仕事をしていらっしゃる曽根さんはビルギッタさんと同じように現場での数々の深い経験を重ねています。 高齢者の方々とのエピソードも心を打つものでした。 曽根さんはあるディケアの音楽療法を通して知り合った高齢な女性が死に向かう病院のベッドに何度も通いました。そして、たとえば、 そのご婦人が女学校時代を過ごした函館を偲びながら、「雪の降る町よ~」などの歌を静かにハミングしたそうです。 明治学院大学の南ゆう子さんがこの会のテープお越しが完了したというメールを今朝くださいました。エスロブ出発前に聞いたいいお話でした。 ちょっと長いブログでした。
投稿者 :rumi | 2006年02月10日 07:53
コメント
こんにちは!メール、ありがとうございます☆
さっそく遊びに来ました。
前回の学習会ではお世話になりました。
スウェーデンでも精力的に活動なさっている様子がとてもよく分かるブログですね。
音楽が持っている癒しの力と言うのはとても大きいものですね。
曽根さんのお話を聞きながら、私も去年ターミナル期に関わった女の子を思い出しました。
それでは頑張ってください!
またきます^^
投稿者 :みなみ | 2006年02月12日