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2005年09月15日
SCI(スウェーデン福祉研究所)のエミールさん{
9月12日(月)
この写真は今年の4月に撮ったものですが、この方がスウェーデン福祉研究所(ケアインステチュート)
のエミールさんです(身長2m)。エミールさんの最初の自己紹介は「私は視覚障害者です」
というものです。うまり、視覚障害が彼にとっては自己の人との違い(アイデンティティ)を示すもの。
私は今回のストックホルム行きでエミールさんにESLOVエスロブでの仕事の進行具合を報告に行きました。
私は彼の優しさとユニークさがとても好きなのでご紹介しますね。
日本語がペラペラの彼は1973年生まれ。7歳で小学校に進学するときに視覚障害者になりました。ちょうど、
スウェーデンで障害を持つ子供たちが普通の小学生と机を並べて勉強する改革が始まった時なので、彼は普通の小学校に進学します。
勉強するのにどんなサポートがあったのですか?と質問すると、ガバメント(市役所)のサポートがあり、
一週間に7時間彼を支援する特別な先生が着いたとのことです。理解のある先生もない先生もいたので、
黒板の字が読めないことなどを助けてくれたそうです。これは彼だけが特殊なのではなく、
勉強が理解できない子供が遅れないように支援する制度でもあるそうです。もちろん、両親の家でのサポートも厚かったと聞きました。
その後、中学、高校(商学部)と順調に進学して、ストレートでストックホルム大学の商学部に進みます。
彼はとても頑張り屋!勉強が大変だったでしょう、という私の質問に彼は「難しくなかったです」と答えました。なぜなら、
この時にはIT機器が発達していたから、音声やパソコンで十分に勉強ができたそうです。その後、
彼はアメリカのオレゴン大学に一年の予定で留学します。広い世界を見てみたかったからだそうです。実際には3年間
の留学になりますが、ここで英語を話せるようになり、いろいろな国の学生とコミュニケーションが取れる楽しみを覚えました。
この時のルームメイトが日本人だったそうです。エミールさんは彼を通して日本に興味を持つようになり、日本語をこの大学で学びます。
この時、オレゴン大学で日本語を教えていた日本人の先生が実に素晴らしかったそうです。
視覚障害を実によく理解してくれた。先生を通して日本に開眼したエミールさんは1997年から1年間早稲田大学で学びます。日本語、文化、
経済を学んだそうです。それまでは、日本は固い、冷たいというイメージを持っていましたが、にぎやかで優しい人々だとわかったそうです。
彼は98年の長野パラリンピックに出ました。日本の大学の学生との合宿が楽しかったと語りました。98年7月にスウェーデンに帰り、
2000年にはシドニーマラソンに、2002年にはソートレークパラリンピックの
クロスカントリーに出場して、5kmでは銅メダル、10kmでは銀メダルを取りました。
現在のスウェーデン・ケア・インスティチュート(SCI)の仕事は2002年から。何と彼が「妻」 と日本語で語る奥様は「かよこさん」という日本の女性です。私も会いましたが、下町生まれのかわいい女性です。
投稿者 :rumi | 2005年09月15日 19:21